幸せなFIREに不可欠な家族との対話について

FIRE・資産形成

結論

始めに結論です。私の50歳でのFIREを可能にしたのは、①困難をともにした経験と価値観の共有、②長期的な資産形成への協力体制、③リタイヤ後の共通の目標設定、④家族の現状理解 でした。

困難をともにした経験と価値観の共有

 私たち夫婦にとって、それぞれうつ病とがんという大きな病を経験したことが、生き方を見直す強いきっかけとなりました。特に妻の経験した婦人科系のがんは強烈な経験で、いつまでも健康でいられる保証はない、命には限りがあるということを強く認識させ、「元気なうちに充実した人生を送りたい」という夫婦で共通の認識が生まれました。
 また、病を機に、家族で支え合いながら食事や運動習慣、仕事に対する考え方を大きく変えたことが早期退職という選択を後押ししてくれました。
 余談ですが、妻が入院・加療している間に、私の食事作りのスキルが磨かれ、妻より先にFIREし専業主夫となった今、その経験は大いに役立っています。

長期的な資産形成への協力体制

 FI(経済的自立)の達成やRE(早期退職)は突発的な思いつきではなく、長く夫婦で資産形成の準備を進めてきた結果です。
 ・お小遣い制と生活費・家計の見える化:我が家は結婚当初から共働きでしたが、夫婦共お小遣い制にしており、また投資を始めた頃からずっと、マネーフォワードMEという家計管理アプリを使って、夫婦の持つ口座を連携し、世帯としていくらの資産があるかをリアルタイムで把握していました。
 ・夫婦での投資学習: 私が38歳の頃、住宅ローンの完済が見えてきた時期に、妻が山崎元氏の投資本を買ってきたり、私がFIREに関する本を読み込んだり、Youtubeも見ることのできるリビングのテレビでリベ大の両学長の有益な動画を見て勉強したりと、夫婦で資産形成に関する知識を共有していました。
 ・経済的な安心感: 12年間の勉強と投資の結果、住宅ローンを完済し、純資産約9,000万円、年間配当収入約200万円(税引後)を築いたことが、家族の納得感とFIREしてもやっていけるという自信を得る大きな根拠になりました。
 
 共働きの世帯ではそれぞれが自身の稼ぎを管理し、家賃や光熱水費・食費などの必要経費を互いに拠出して、妻(夫)がいくら資産を持っているか把握していない、という家庭も多いと思いますが、将来的な資産形成やFIREを目指すという観点からは、生活費・家計の見える化(家計全体の収入と支出を把握できるようにし、夫婦で一元管理すること)は大変重要です。
 これが見えないと、一体いくらの資産を貯めれば良いか、毎月いくらまで支出して良いかという具体的な資産形成のゴールが見えず、FIREに踏み切ることが困難になるからです。マネーフォワードMEなどの家計管理アプリを用いて、(それぞれのお小遣い口座を除き)どの口座にいくらの収入・資産があるか、月々どのようなことにいくら支出しているかを把握することを、強くお勧めします。(マネーフォワードMEは連携する口座数は限られますが、無料で利用することができます。)

リタイヤ後の共通の目標設定

 私たちのFIRE後の目標の一つは、働いている間は時間的なゆとりがなく行けなかった大きな旅行に行くことです。特に、健康で元気と意欲のあるうちに、船か飛行機による世界一周旅行に出たいと考えています。
 そのために二人で、資産形成のほかに、英語の勉強や体力作りに励んでいます。
 日本人男性の平均的な健康寿命は、概ね72歳と言われていて、定年退職を迎える65歳まで働いて、より多くの資産を築いてリッチな旅行に出るという考え方もありますが、前述の通り二人ともに大きな病を経験した私たちは、いつまでも健康でいられる保証はないと強く認識しました。また、40歳を超えてからは意欲の低下や、新しいことに取り組むチャレンジ精神の減退が顕著に感じられるようになり、このまま仕事を続けて60歳を超えたら海外旅行に行きたいとも思えなくなっているだろうと考えました。
 この辺りの考え方は、オリバー・バークマンさんの書いた「限りある時間の使い方 人生は『4000週間』あなたはどう使うか?」やビル・パーキンスさんの「DIE WITH ZERO」に大いに影響を受けました。FIREを考えている方にはとても参考になる本ですので、ぜひ手に取って読んでみていただければと思います。

家族の現状理解について

 ・妻の納得について: 私が先にFIREすることを受け入れてくれた妻には、大いに感謝しています。
 妻は、私のリタイア時点でも仕事を続けており、少なくとももう一年は働く予定です。これは資産の状況について割と楽観的な私と、慎重な妻の違いによるものもあるのですが、他にも妻は、がんを克服してフルタイムで働けていることに喜びを感じていることや、その他にも理由がある様子でした。ただ、その気持ちを妻が具体的に言語化できるようになるには、かなりの時間を要しました。
 私が50歳でFIREしたいと考えていることを相談したその3年前には、今ほど資産が成長していなかったこともあり、妻も「私だって辞めたい、パパだけ先に辞めるのはずるい」と強い不安を口にしました。これまでずっと共働きで家事と子育てを私よりも多くこなしてくれ、目の前のやるべきことに精一杯の生活を続けてきたのですから、当然のリアクションでした。

 妻が「ずるい」と表現した気持ちの正体とは。当時の資産の状況はどうだったのか。また私が実際に、具体的にどのような言葉で、どんな順番で、どのように妻の納得を獲得していったのかの詳細については、noteの記事で書かせていただきましたので、共働きの卒業やFIREに興味のある方はぜひこちらをご覧ください。

→共働きで先に辞める夫が、妻の「ずるい」を納得に変えた説得の手順【退職2年半前の切り出しから、1年前の納得までの時系列を公開】(近日公開します。後半は有料パートとなっています。)


 ・子の教育について:子どもが高校2年生になるタイミングであり、妻にとっては教育資金や、夫が無職になることによる子どもへの影響が一番の心配の種でした。

 教育資金と子どもへの影響は、FIREする際に避けては通れない大きなポイントの一つです。
 この点についても、詳細をnoteの記事に書かせていただきましたのでぜひお読みいただければと思います。

 なお、妻と私は同じ職場で出会ったのですが、当時の職場の仲間が開いてくれた私の送別会では、「夫が先に辞めることを認めた素晴らしい妻」として、妻は大いに称賛されることとなりました。
 

まとめ

 以上のように、総じて単なる説得ではなく、「過去の苦難の共有」「長期にわたる資産形成の協力・準備」「共通の夢」といった積み重ねが、家族の納得感(合意)を生む土台となったと考えています。
 幸せなFIREには、家族との対話と理解を得ることが必要不可欠だと思いますので、私の経験が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

◆ 関連:この記事の全体像はこちら
→定年まで働くのがつらい50代へ|50歳でFIREした私のリアル体験(親記事)
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