愛するものを見つける方法|リチャード・バックが語る“人生の核心”

心を温めてくれる言葉

FIRE後は自分の興味や関心に忠実に生きたい

 私がFIREを決断した理由の一つに、他人から与えられる仕事ではなく、もっと愛することを突き詰めて、自分の興味や関心に忠実に生きていきたい、というものがありました。仕事と家事に追われ、単調な反復の中に生き、孤独と虚無感を抱えていたからです。これは私だけではなく、組織という巨大な機械の中で、意味の見えないルーチンを繰り返す多くのサラリーマンが抱えている孤独なのではないでしょうか。
 私は自分が本当に愛することを見つけたと断言できる状況にはありませんが、リチャードバックは著作「イリュージョン」の中で、あるいはその解説において、次のような示唆に富んだ表現をしています。

本当に愛するものを見つける方法

 人間が本当に愛するものを見つけるのはとても大変なことで、それがすべて、要するに人生の中心だと思うね。
 一生かかっても、ついにそれが見つからない人も多いと思うんだよ。
 だけど、ドアが閉まっていても、いつかは絶対に自分の好きなものが見つけられると、そういうふうに導かれているんだと信じることだね。
 だいたいは、どこもかしこも閉まっていると、絶望的になっちゃうんだよ。
 だけど、あっちこっち叩いているうちに、どこかのドアがポンと開くと思うんだね。
 その開いたドアが、自分の一番求めている、愛するものへの道だと、とりあえず信じるんだよ。
 そこへ入る、またドアが全部閉まっている。
 必死になって叩くと、またドアが一つだけ開く。
 そういうところをひとつずつ通過しているうちに、いつか、ものすごい光が自分の中に出てくるはずなんだよ。

     イリュージョン リチャード・バック/村上龍・訳 集英社文庫 解説より

自分の歌をうたい続けることの大切さ

 人間が学校というフェンスを出ると、そこは、ドラゴンワールド(現実の、悪意に満ちた世界)なわけだ。
 地球上には30億だか40億だかの人間がいて、お前はその30億プラス1の余りものに過ぎない、お前のことなんか誰も関心を持っていやしない、生きていようと死のうと、こっちの知ったことか、みたいな扱いを受けることになる。
 ある人間がダメになるというのは、そういうことなんだよ。
 どうやってそれに対抗するかと言ったら、やっぱり自分の歌をうたい続けることだと思うね。
「うるせえ、おまえのその変な歌をやめねえと張り倒すぞ」かなんか言われて、それでだめになっちゃうことだってあるけど、張り倒されても、まだ歌い続けることだ。
 もちろん、ドラゴンワールドにあっては、明日の飯代をどうしよう、今日の部屋代をどうしようなんていうわずらいもある。それはしようがないから、思いわずらい、駆けずり回りながらでも、自分の歌だけはうたい続けるわけだ。

     イリュージョン リチャード・バック/村上龍・訳 集英社文庫 解説より

明日は今日よりも、自分らしく生きて行けるように

 イリュージョンは、もっと自由に生きたいと願い救世主を退職した元救世主と、飛行機乗りとの交流を描いた物語で、若い頃からずっと好きで読んでいました。ここには自由とは何か、人生とは何かについて、多くの示唆に富んだ内容が含まれています
 現代社会においては、単調な反復の中に生き、深い孤独と虚無感を抱えている人は多いのではと思います。FIRE前の私も同様に、組織という巨大な機械の中で、意味の見えないルーチンを繰り返す現代のサラリーマンの一人でした
 FIREにより手に入れられる自由、人生の主導権を取り戻すという感覚は、控えめに言って最高です。
 私自身もまだ、本当に愛するものを見つけたと言い切ることはできませんが、馬鹿にされても自分の歌を歌い続けて、これは?というドアを叩き続けていきたいと思います。
 この記事が、日々の業務に奮闘し、家庭や職場で重い責任を負い、このままで良いのだろうかと悩みながらも、立ち止まって考える余裕すらない、また具体的にどのように行動すれば自由に近付けるかわからないという皆さん(そう、ちょうど10年前の私のような)の目に留まり、それぞれが今より自分らしく生きて行くこと、人生の選択肢を増やすこと、ささやかでも役に立つことができれば、これ以上嬉しいことはありません。

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